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超常学園 第4話

遅くなりました!第4話~!おまたせです!

さてさて本日の主人公は…みんな大好き?あの人です!

それでははじまりはじまり~


超常学園―――

そこは一見、普通の私立学校。

広大な敷地があり、寮もある。そして生徒が伸び伸びと過ごせるよう、校風は自由。


しかし
この学園には裏の顔がある。
ここに通う生徒、実にその50%は―――特殊な能力を持つ者
それこそ超能力者から、魔術士、巫女、果ては人外の者まで…


これは、そんなとんでもない学園でも
特に数奇な運命を辿った者達の物語である―――


超常学園
エピソードナンバー④『相川美鈴の憂鬱』


相川美鈴。
超常学園が2年C組の担任と、数学の顧問を勤める教師である。
容姿は、ちょっと童顔の入った顔、艶やかな黒髪、
さらに凸凹のはっきりした美しい体のライン―――
異性が求め同性すら惹かれる、『美人』の教師だった。

過半数の生徒や教師が人外である超常学園の中で、
彼女は数少ない普通人であり、100%間違いなく人間。
しかもこの学園の『裏』の背景をまるでしらない。
まさに、キングオブ一般人。



―――今日は、そんな彼女が
『裏』の世界にちょっぴり触れてしまった1日を、
ご紹介しよう―――



朝7時。
教師用の寮の一室にて、彼女の1日は始まる。

「ぅ…うん…」
布団の中より上がる、艶めかしい声。
しかも、眠気に絡まれ身を捩る彼女の体を包むのは、
純白色の下着と、皺の付いたブラウスのみ
AVも真っ青の色気過多だろう
誰も見てはいないが、こんな痴態をいつまでも晒してはいられない
「ぁふぅ……」
眠い目を擦りつつ、彼女は起床。
布団の上にペタッと座り込み、寝ぼけ眼を擦る姿は、
さしずめハムスターが毛繕いをするかのようであった。

着ていたブラウスと下着を取り替え、
いつものスーツ、タイトスカート、ストッキングを着ると、
朝ご飯代わりに、カロ●ーメイトとパックのゼリー飲料を食べながら―――
「はぐはぐ…いってきます♪」
そのまま自室を後に、
誰もいない部屋だが、挨拶をするのは習慣なのだろう
少しお茶目な性格が垣間見えた。


職員室。
各先生が朝のSHRの準備等をしていて、少々慌ただしい雰囲気が漂っている。
もちろん相川先生も、
「配布プリントに…1時間目の用意に…ああ、出席簿わすれたら駄目じゃない!」
ワタワタと机の上で手を動かす様は、
先生には悪いが、まるで小動物の仕草のように可愛げがあった。
そんな彼女へ―――隣の机から声がかかった
「ミス相川?手伝いましょうか?」
声をかけたのは、なんと生徒と同い年くらいの少女。
容姿は、桃色の髪をサイドポニーにしており、瞳は薄紅のくりっとしたもの、肌は純白の如し
服装は、薄茶のブラウスとタイトスカート、
その上には、身の丈に合わない大きな白衣を羽織っていた
生徒には見えないが、教師にしては年齢が幼い
しかし正解は―――後者だった。
「大丈夫ですハロルド先生!このくらい…ああ、急がなきゃ!」
「無理しないでミス相川。あたしの組の準備は終わってますから、プリントを纏めておいてあげるわ♪」
「あ、ありがとうございます…」

ハロルド・アインシュタイン・ファウスト。
若干16歳の少女だが、
その実態は超常学園2年D組担任、かつ物理と化学の顧問教師。
もちろん、経歴も普通ではない。
なんとこの歳で、出身地アメリカにおいて、さる有名大学を主席卒業しているから驚きだ。

超常学園には、数ヶ月前より赴任しているハロルド。
最初は相川先生も驚いたが、話してみればとても聡明な少女で
今ではご覧の通り、仲の良い同僚の関係を築いていた。

相川先生が名簿を見つけ出した頃、ハロルドもプリントを纏め終えてくれていた
それではいざ教室に行かん!…とした時だった
「あ、ミス相川!ちょっと待って!」
「はい?」
藪から棒に引き止められ、『おっとっと』とプリントを落としかける
それをなんとか持ち直してから、呼び止めたハロルドに振り向いた
「ミス相川、今日の放課後はあなたの宿直当番よ。昨日は私だったから…今のうちに宿直室のキーを渡しておくわね」
「あ、どうも」
しっかりしている。
改めて相川先生はハロルドの事を見直したのだった。
とは言え、もうSHRまで時間がない。
彼女からキーを受け取ると、御礼もそこそこに教室へと急いだのだった



教室。
SHRも済まし、1時間目の授業が始まっている。
ちょうどこの日も、2年C組の1時間目は数学だった。
そしてこの日も―――
「ですから、長辺が円の中心を通る時、ここの角度は―――」
「…zZZ」
「むっ!!」
聞き慣れたイビキが相川先生の耳に届く。
犯人はやっぱりこの生徒、南部狼牙であった。
「狼牙っ、起きて起きてっ!」
「zZZ…zZZ…」
隣の席のアオイ・D・ヘイローが揺するが
全くの無反応―――眠ったまま
「狼牙くん…起きなさい…?」
第一警告。
しかし、目標に反応無し
「授業中ですよー?南部狼牙くん?」
第二警告。
だが、効果は全く無い。
「ロ・ウ・ガくぅ~ん?」
最終警告。
既にその手にはチョークが握られていた
それでも―――狼牙は起きれなかった
「え~~~~~~~~~~~いっ!!!」
次の瞬間、白墨で出来た弾丸―――チョークが投擲された。
相変わらず…否、前より鋭い音を立てて虚空を切り裂き
席の合間を突っ切って―――
「うごぉっ!?」
『ズドォォォォォォォオン』と
今日も、見事に狼牙の額へと命中したのだった。



そして放課後―――。



日はとうに暮れて、夜の9時。
生徒達がほぼ完全に下校した今
相川先生は、宿直室で寛いでいた
「はふぅ…お茶が美味しい…」
湯のみに入れた緑茶を飲み、一息つく
お湯はヤカンで沸かした水道水、茶葉は買い置きの安物だが
それでも、1日の授業を終えて来た彼女には十分に美味しく感じられる
疲れていれば、何でも美味しく感じられるものだ
これで甘いお菓子の1つでもあれば満足なのだけれど―――
「はい先生、ポッ●ーあげる♪」
「あら、ありがとう♪」
横から差し出された袋から、棒状のお菓子を摘み取る
お菓子は細いクッキーにチョコを被せただけ、有名かつシンプルな構造だ
棒の先端から少しずつ、ポリポリとかじって短くする
その度に、甘いチョコの香りが口に広がって……
「ってぇ!!なんでここにアオイちゃんが居るんですかぁ―――っ!?」
半分ほどかじった時、ようやく侵入者の存在に気がついた。
いつの間にか、相川先生の真横の椅子には
自分の担任する生徒、アオイ・D・ヘイローがちょこんと座っていた。
片手に●ッキー、もう片手にはトマトジュース
…と言うかトマトジュースでポ●キーを食って旨いのか?
それはさておき
「えへへ~♪今日はせんせぇが宿直だって小耳に挟んだので…
こうして遊びに来ちゃいました♪ポッキーもう一本いかがです?」
「あ、いただきます♪…………じゃなくて!中学生がこぉんな時間に1人で出歩いているんじゃありません!」
と目一杯アオイを叱りつけているが
片手にはちゃっかり2本目の●ッキーが握られていたりする
ま、それも置いといて
「1人じゃないですよ~せんせぇと一緒ですよ~♪」
「そ、そ、それはそうですけど…」
「せんせぇは…あたしと一緒に居るの…嫌?」
アオイが、うるうると小羊のような目で訴えかける。
瞬間、相川先生は彼女の可憐な姿に射抜かれた。
例えて言うなら、大口径のマグナムでぴったり心臓を撃たれたかのような衝撃。
もとより、可愛いものには目が無い方だし
なにより、教え子だったから―――
「ううん!そんなことない!いくらでもいていいわよ!」
「わーい♪」
わっしとアオイを抱き締め、よしよしと撫でる相川先生。
アオイも、彼女の柔らかな胸に顔をうずめて喜ぶ

―――しかし、相川先生は知らなかった。
その時のアオイの顔に、『計画通り…!』とでていた事に…



「さて、それじゃあこれから見回りに行くけど…一緒に来る?」
「もっちろん♪」
各々、懐中電灯を片手に持ち、2人は宿直室を出る。
本来、アオイには懐中電灯などなくとも、暗視くらい簡単に出来る
が、それは正体を明かす事になるので、ここは素直に灯りに頼る事にした

「……………。」
真っ暗闇の中を、懐中電灯の明かりを頼りに歩く
2人とも何も喋らないが、各々様子が違う
相川先生は、辺りをキョロキョロ見回しながら歩く
悪くいえば、おっかなびっくりな様子だ。
対するアオイは、普通に散歩をしてるかのように歩く
もとより夜こそが彼女の世界、小さい声で鼻歌さえ歌っている
先生が怖がって、生徒は落ち着いている。……普通は逆だろう
まぁ、普通でないのがこの学園のミソでもあるのだが
「あーいかわせーんせぇっ♪」
「っ!?…な、なに?アオイちゃん?」
ちょっと話しかけただけで、この怖がりようである
そしてその様を見たアオイに、小さな悪戯心が芽生えた
「せんせぇ…せっかくだから怪談しながら歩こうよ♪」
「カイダン!?そ、それって…歩いて登る…」
「それは階段」
「各国の首脳が…」
「それは会談」
「説明会の事…」
「それはガイダンス。無理があるよせんせぇー」
「あぅぅ…じゃあまさか…怖い話の…?」
「そうですけど?」
渾身のボケもスルーされ、
さも当たり前と言った具合に頷かれる。
相川先生は、たじろいだ。
「な…なにもこんな時にやらなくても…」
「怪談はこういう雰囲気でやるから楽しいんじゃないですかー♪それとも…もしかしてせんせぇ…怖いの?」
「こ…怖くなんてありません!いいですよ怪談!聞きます!どーんと来なさい!」
虚勢だろうが、只でさえ豊満な胸をドーンと前に張る
…メリッサの前でやったら間違い無く怒るだろう行為だ
しかし対するアオイも、背たけの割に胸があるのでモーマンタイ
むしろ、相川先生の虚勢を面白がり悪戯っぽく微笑んでから
話始めた
「せんせぇ…校舎端の古い倉庫は知ってる?」
「え…あの立ち入り禁止の倉庫の事?」
「そう、そこだよ…」

―――あたしもつい最近…と言うか2日前、学園長に教えてもらったんだけど
あそこにはねぇ…
怖~い物の怪が、いっぱい封印してあったんだって~
「も、物の怪?」
そうだよ
なんでも、どれも魂の宿っている道具達なんだって
『魔の燭台』とか『箱入り悪魔』とか、『呻くコンダラ』とか
あ、あと『リビングドール』も居たっけ♪今は『リビングドールの絵』だけどね♪
「で、でも!封印してあるなら…大丈夫…よね…?」
それが…
つい3日前、あたし達…ううん!“何故か”倉庫が荒らされてて
その命の宿った道具達が、居なくなってたんだって!
「そ、それって…」
そう…
つまり…
今もこの校舎のどこかに潜んでで…
か弱いあたし達を…
「狙っているのかもぉっ!」
「いゃぁあああああああああああああっ!!?」
アオイが最後に大きな声で言うと
可哀想に、相川先生は叫び声を上げて
『ドドドドドド!』と走って行ってしまう
そのまま廊下を全速前進して
数瞬後には―――アオイの目にすら、うつらなくなった
「あ―――っはっはっはっはっはっ!!先生怖がり過ぎだよぉ!!あ―――っはっはっはっはっはっ!!」
予想以上に怖がってくれたので
アオイは腹を抱えて笑う
さらにエスカレートして床に倒れてゴロゴロ転がって足をバタバタさせ始めた
その時―――
『黄色の眠りからさーめてっ♪』
「ひーひー…あ、携帯鳴ってる」
笑い転げてて気付かなかったが、着歌がさっきから鳴っていたポケットから取り出されたのは、真っ赤で丸っこい携帯
背面ウィンドウを見ると―――電話着信だ
そそくさと開き、通話ボタンをプッシュ
「はい、もしもしぃ♪」
半笑いの声で出ると
返って来たのは焦りを含んだ声、それも2つ。
『アオイ、いま大きな音がしたぞ!!』
『何かあったの!?』
電話の主は狼牙、加えてメリッサ。
恐らくメリッサは、横から口を挟んでいるのであろう
電話越しにも血相を変えているのがわかる
しかし―――笑って思考が散漫になってたアオイにはわからなかったようで、
「やだぁ~狼牙ったらぁ♪やっぱりあたしの事が心配なのね♪」
などとのたまった。
『こら!アタシをはしょるな!…べ、べつにあんたの心配なんかはしてないし…』
『と言うか、お前と一緒の先生の方が心配だ』
「(´・ω・`)ショボーン」
もちろん、返しの言葉でボロボロに言われてしまったのであった
まぁ、当然の結果なのだが
『それより…何があった?』
「あはは♪実は…」

かくかくしかじか(説明中)

『つまりお前は…みすみす先生を1人にしたと…?』
「え? あぁ、そう言えばそういう事に…」
『このお馬鹿―――ッ!なぁにやってんのよぉ―――ッ!』
「はぅ…そんなに怒らなくても…」
アオイの諸行を聞き、電話ごしに『渇ッ!』と怒る2人
反省…は、してるかどうかは怪しいが…
ともかく、アオイはすっかり縮こまったのであった―――

ところ変わって、屋上。
巨大い校舎ゆえに、体育館並みの広さがあるこの場所。
その中央に、焦げ茶の髪をバンダナで止めた少年と、金髪を翠のリボンで結った少女―――
狼牙と、メリッサが、其処に居た。
「もぅ、これじゃ何の為にアオイを相川先生につけておいたんだかわからないじゃない」
「………全くだな」
ちょうど、アオイとの通話を終えて
少々の愚痴と多大な溜め息を漏らしている所だったりするのだが
それはさておき
なぜアオイ、そしてメリッサ、狼牙が居残って
しかもこのような場所に居るのか―――

3日前、ついうっかり倉庫の封印を解いてしまったアオイ達
実はあの倉庫、先ほどの怪談の通り、いくつかの物の怪達を封じていたものだったらしく
次の日に確認してみたら、
物の怪達がみんな居なくなっていたのだからさぁ大変
前日の内に倒されたアリスはともかく、まだ数体の物の怪が学内に潜んでいるのだ
ともあれ、事を大きくしたくなかった学園長は
アオイ達の責任と言う事もあって、彼らに調査または討伐を頼んだのだった。

「それにしても、俺は今なおお前が協力してくれてる事が不思議なのだがな」
思い出したように狼牙がぼやく
確かに、(本人曰わく)アオイと犬猿の仲のメリッサが、あっさりと協力体勢を組んでくれたのは
狼牙としては助かる反面、ちょっと不可思議だった
「そりゃ…あたしにも責任の一端があるんだし、任せきりってのは性に合わないの。
それにアオイはともかくあんたと組むは嫌じゃないしね」
「ありがたいが…アオイの前でそれは言わない方がいい、要らぬ誤解を生むぞ」
「ば、馬鹿ぁっ!!そう言う意味で言ったんじゃないわよぉ!!」
せっかくの狼牙の忠告だったが、
メリッサは意味を斜め横に捉えてしまい、顔を真っ赤にした。
「それより、相川先生が心配だからッ!階下に行ってくるわ!」
「………わかった。俺は他の校舎に異変がないか偵察してくる」
無駄話はここまでと、お互いに走り出す
かたや屋上の出入り口に、
かたや屋上の端、隣の校舎が見える欄干へと走る。
出入り口をくぐったメリッサは階段を駆け下り
端に走った狼牙は、欄干を足掛かりにジャンプ
校舎の合間、およそ50メートルをひとっ跳びで通過し
隣の校舎の屋上に着地したのだった





「はぁ……はぁ……はぁ……」
一方、全力疾走した相川先生
三階の廊下でようやく止まり、ハァハァ息を漏らしていた
「もぅ…はぁはぁはぁ…アオイちゃん…はぁはぁ…ったら…はぁ…怖すぎよぉ…って、アラ?」
なんとか息が整って、辺りを見回しても
アオイの姿はどこにも無い。
一階の廊下を走り抜け、階段を駆け上る間は無我夢中だったので
先生からすれば、突然アオイが居なくなったように思えた
しかも―――どこかに懐中電灯を落としたらしく
辺りは真っ暗だった。
「アオイちゃーん…?どこ~?」
呼んでみても、三階の廊下に響くのは自分の声だけ
誰も、いない
「と、と、とにかく…明かりを…つけなきゃ…」
と口に出しつつ、光源を探す
しかし、見回しても懐中電灯は落ちてないし
明かりをつけるスイッチは辺りに無い―――廊下の端まで行かねば、無い
「こ…怖い…ううん…怖くない怖くはない………やっぱり怖~~~いっ!!」
どうしようもなくなり、その場でうずくまってしまう
小さくカタカタ震える様は、ますます小動物っぽかった
―――夜明けまでこうなのかしら…
―――むしろ無事に夜が明けられるのかしら…
そう思った時だった。
ふと、視界の端に明かりが映った
「え…?」
―――アオイちゃんが階下から来てくれた?
助かった…と、明かりの方へと振り向いた
しかし
視界の中央に入ったのは、異様な物体だった
空中をフワフワ浮かぶ、炎。
直径約30センチほどの、大きな火の玉。
真っ赤に燃えているソレは、昔のホラー映画で良く見た存在に似ていた。
いわゆる―――ヒトダマ。
相川先生は、口をパクパク言わせて後ずさる
すると、ヒトダマの表面に、目と口のようなものが現れて―――
盛大に笑い出した
『モヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ―――ッ♪』
「なっ…なんなの…アナタ…?」
『ヒョヒョヒョヒョヒョヒョ♪』
相川先生の質問にも笑うだけ
よくわからないが…不気味なのは確か
相手を刺激しないように、叫びたいのを必死でこらえ
相手の方を向いたまま、ゆっくりと立ち上がって―――
『モヒョ~~~~~~~~ッ♪』
「っ…!?」
その諸行に気付いたヒトダマが、大きく口を開いた。
その次の瞬間―――
『マァ~~~~~~ッ♪』
口から白い煙が溢れ出す
そうした後に口を閉じたかと思うと、頬?を大きく膨らませ―――
開いた口の中から、大量の白い煙が噴き出し
相川先生に、勢い良くかけた
「ぇ、ぁ、おぷっ!?」
なすすべ無く、包まれる。
濃く、白い煙幕に包みこまれる相川先生の身体。
身を強ばらせたのが災いし、あっと言う間に全身が見えなくなり
白いカーテンにて、外界から遮断されたのだった
「ふぐっ…くしゃい…?」
相川先生の鼻を『むわっ』とくすぐる匂い
どこかで嗅いだ事があるような―――それをずっと濃くしたような匂い。
何だったかを思い出すより早く、
彼女の体に異変が起きはじめた
「え…?」
足が、動かない。
なんとか煙から逃れるべく、足をずらそうとしたのに
床から、離れないのだ
恐る恐る足を見てみれば
「あ、足が白く!?」
真っ白に、固まっている
床にくっついているだけとか、そんな生易しいレベルでなく
白い何かが、彼女の足を包み込んで、床に固定していた。
しかも、悪い事は続く
「ゲホッ…ゲホッ…やだ…吸い込んじゃった…ゲホッ!!」
驚いた際に、大量に煙を吸い込んだらしく、咳き込む
両手で胸を押さえて必死に肺の中から空気を押し出すと
口の中に例の匂いと、油のような味が広がる―――煙の成分だろう
そして、彼女は煙の正体に気がついた
「これ…蝋?」
ようやく思い出した。
この匂いは蝋燭が燃える時の匂い―――それをずっと濃くしたもの
恐らく、というか間違いなく、煙の正体は―――気化した蝋
「間違いない…って事は私…このままだと蝋人形に…エホッ!エホッ!?」
自分の置かれた状況を理解したが―――わかったところで相川先生になすすべは無い
気化した蝋が白い霧になるなど聞いた事がないし
そもそも固まった蝋がこんなに硬い筈が無い
しかし、状況はまるで逆なのだ
振りほどく法など思い至る筈もない
それどころか、状況はさらに悪くなる
「あ…あ…か…体が…強張って…くる…ケホッ…」
内股気味の肘が、折り曲げた膝が、腰が、首が
まるで鋼鉄に固定されたかのように、動けない。
苦しみ喘ぐ状態で、姿勢が、ポーズが、固定されつつある。
桃色の肌が、茶色のスーツが、タイトスカートが、真っ白に染め上げられようとしている。
「あっ…ぃゃ……誰か…ぁ……………」
ついに、声が出せなくなる。
口は大きく開いたまま動けないし、
なにより喉が、外側も内側も固まってしまったらしい
当然、息が苦しくなって―――意識がぼんやりしてくる
そして視界そのものが、蝋に包まれて薄ぼんやりしてくる
もとより、白い霧しか見えないが、それすらも見えなくなる
「(嫌…ここから…だ…し…て……)」
視界が完全に塗り潰されて、
彼女の意識も塗り潰された。


炎が噴くのをやめ、霧が晴れる。
中から出て来たのは、相川先生―――の成れの果ての姿
美人の蝋人形が一体置かれていた

相川先生 蝋人形化





全身がくまなく乳白色に変えられた彼女は
少し背をのけぞらせ、足を少しだけ内股に、両手を胸に当てたポーズをとり
その顔には、苦悶の表情が貼り付けられたままで、固められている。
片目からは、頬に涙が伝い落ち
―――それすらも蝋が包み込んで、一つの造形になっていた

一方、元凶たるヒトダマは
固まった先生の蝋人形をまじまじと眺め
満足げに口元を釣り上げる
『モヒョヒョ…1日タテバ…中マデ蝋ガ浸透シテ、完全ナ蝋人形ニナル…ソウシタラ食べ頃サ…ジュルリ♪』
「そうはいかないわよぉっ!」
『ッ!?』
背後からの大声に振り向くと
金髪の少女が、身の丈程あるハンマーを手に―――
メリッサが、ウチデノコヅチを手に携えて
ヒトダマに向かって、突進するかのように駆けていた
「邪悪な悪霊めぇぇっ!往生なさぁぁいっ!!」
体を、目一杯まで捻って
走った勢いで床を滑りながら、足腰を縦に構えて
ウチデノコヅチを全身で振り被り―――
ヒトダマに向けて、打ち下ろす!
「平らにぃぃぃっなぁぁぁああああれぇぇっ!!」
『ピキ―――ッ!?』
ウチデノコヅチのハンマーヘッドを受けたヒトダマは
一瞬で、炎が散らばって燃え突き
床に、『ズシィ―――ンッ!』と叩きつけられた
「へっへ~ん♪あたしだってやるときはやるのよ!!」
まさに瞬殺。
否の打ちどころがないくらい完璧な勝利。
……少なくともメリッサはそう思った
だが―――
『モヒョヒョ…アマイゾ』
「!?」
突進、メリッサは真後ろから明かりに照らされる
振り返ってみれば
そこには、何事もなかったかのように、ヒトダマが居た
しかも、ニヤニヤと嫌らしく笑って―――
「な…いつ避けたの!?」
『モヒョヒョヒョヒョ♪サァ?』
「(ムカッ!)こいつぅ~~~~~ッ!!」
ウチデノコヅチを横薙ぎに振り抜く
またヒトダマは、『ヒョ~』とか悲鳴をあげて散る
だが次の瞬間
散った火の粉達が、少し離れた場所に集まって
あっと言う間に、元通りのヒトダマが完成
「そんなんあり!?」
『モヒョヒョヒョヒョヒョヒョ~♪』
高笑い。嘲笑。
メリッサの脳は『ムカッ!』を通り越し『ブッチーン!』となった
「馬鹿にするんじゃないわよぉ―――っ!!」
怒りに任せ、ウチデノコヅチをブンブン振り回し始めた。
校舎が壊れるとか、そんな考えは頭から排除されている。
まぁ、前回壊した時も何故か翌日の朝には直っていたというある種の安心もあったのだろう
徹底的に、容赦なく
破壊の嵐がヒトダマに……なにより廊下に襲いかかる
『ヒョッ!?ヒョヒョ~!!』
ヒトダマも、『こりゃたまらん』とばかりに逃げ出した。
もちろんメリッサが逃がす訳はない
「まぁぁぁあああてぇ――――――っ!!」
そのまま、追い掛けて行った……


ヒトダマもメリッサも居なくなり
廊下には、相川先生だった蝋人形が転がっている
と、そこへ―――小さな何が、ヒョコヒョコ近づいて来た
それは、銀色の燭台。
しかしそいつは、金属かどうか怪しいくらいにクネクネと動いていた
一見すると、立てられた三本の蝋燭のうち
真ん中が頭、左右を手のように動かし、
足は支柱だけなので、片足ケンケンのようにピョコピョコ動かしていた
その奇妙な燭台は、相川先生の蝋人形の元までたどり着くと
汗を拭うかのような仕草をした…というか、本当に冷や汗を拭っていた。
『ふぅ……アブねぇアブねぇ……』
どこに口があるのかは知らないが、いきなり燭台が喋りだす
しかも、愚痴を漏らしていた
『危うく本体の俺にまで被害が及ぶところだったぜ……あのバーサーカー女め……』
やれやれと肩をなで下ろすのであった。

言動でわかると思うが、こいつこそ、あのヒトダマの正体
倉庫にあった、『魔の燭台』こと『お化けキャンドル』である
『しかし、これで後はこの女を隠しとけばいいだけだ♪
へへへ、あの炎は俺の分身…あのバーサーカー女がいくら叩こうが無駄無駄♪』
「じゃあ君を捻り潰せばいいんだね♪」
背後から、声。
ビクゥッ!!とお化けキャンドルは肩を震わせ
油切れの機械のように…後ろへ振り向いた。
鬼。
『吸血鬼』の『鬼』の字だけが出っ張ったかのような形相の
アオイ・D・ヘイロー…。
「君が…先生を蝋人形にしちゃったんだね…ふぅん…凄いんだ…」
『い…いやぁ…それほどでも…』
「あははははは♪別に怖がらなくてもいいよ?」
『あ、あはは』
「あははははは♪…怖がらなくてもいいんだよ
一瞬で終わるから♪」

―――グシャリッ!!






「ぅ…うう~ん…?」
「せんせぇ、起きた?」
「あ、あれ?アオイ…ちゃん…?」
目を開けた相川先生の視界いっぱいに、教え子の顔
彼女は無邪気な笑みで先生に語りかけた
「もぉーっ!せんせぇったら、走って柱にぶつかって、気絶してたんだよ?」
「え?そ、そうだったの?」
―――眠ってた…って事は…?
未だにぼんやりする頭を回転させるが
よく思い出せなくなっている…
―――…夢だったんだわ、きっとそうよ…
少々無理矢理だが、結論をつけた。
…そうじゃないと怖いから
「せんせぇ♪一緒にかーえろ♪」
「え、ええ…そうね、もうこんな時間だし、一緒に帰りましょう♪」
「うん♪」
手を引かれると、さっきまでの恐怖は拭い去った
笑顔でその場を後にする2人―――

しかし、先生は気付かなかった
アオイの片手に―――野球ボール程に丸められた
金属でできた『なにか』が、握られていた事に―――







余談だが、バーサークしたメリッサは
ヒトダマが消えた後もウチデノコヅチを振り回しまくって校舎を暴れ回り
最終的に、狼牙がどうにかして止めた時には
校舎が半壊していたと言う―――

そして、何故か次の朝には
校舎は元通りだったことを付け加えておく―――


FIN
  1. 2007/10/17(水) 22:45:52|
  2. 蝋人形化
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<オリジナルキャラクタープロフィール③④ | ホーム | 近況報告もろもろ?>>

コメント

No title

蝋固めがここで見れるとは!
固め方が違えども蝋固めなのでうれしいですw
ちなみに私は溶けた蝋ぶっかけて固める派です(ぉ
それにしてもアオイちゃんの怖さは異常ですねぇ(汗
  1. 2007/10/17(水) 23:31:26 |
  2. URL |
  3. デュール #NRXdkuuw
  4. [ 編集]

No title

更新お疲れ様でした。

今回は、コメディー色が強い内容でしたね(^^
所々…クスッ!とw
相川先生、前回のキャラなんとか機で作られたものを見ると、なんかちょっと幼そうなイメージでしたが、実際…劇中でも、やけにカワイイ感じの女性ですねww
ある意味、アオイちゃんたちよりも幼いかもw
それだけに、今後…どんな巻き添えをくらうか?
楽しみでもあります。
それにしても、あの倉庫。
他にどんな…物の怪がいるのか?
マジに楽しみです♪
  1. 2007/10/18(木) 21:39:27 |
  2. URL |
  3. るりょうりに ケンさん #EB29KFfw
  4. [ 編集]

No title

ちょいと遅くなりました、最近血が美味いと感じるsentiです。
それでは、感想へ……

今回、いろいろ楽しませてもらいました。
やっぱり、相川先生ですかねぇ……
先生怖がりなんですかね~
でも、またそこがいいんですよ。
そして………
出たぁぁぁぁぁ!!!!
蝋人形化!   こんなことになってても、美しいですね……

またこんなことに巻き込まれていくと考えると………
逆に哀れに感じますね…
あれ?………今回、相川先生についてしか言ってないような……

でも、気にしない気にしない!
それでは、また!
  1. 2007/10/19(金) 22:34:19 |
  2. URL |
  3. senti #-
  4. [ 編集]

またまた出遅れましたが、感想です。

どうも!eiji amakiです。
今回の作品も良かったです。とくに蝋化される所の描写が、本当に凄いです。
 究極のDさんの作品って、緩急のバランスが絶妙で、これだけの長編でも、全く読んでいて飽きないし、描写力も優れているので、こちらもすぐに場面を想像出来ます。そして、次回作が読みたくなるんですよね。

 そのうち、破壊されつくした学園が、何事も無かったかのように一晩で復活する様子も描かれるんでしょうか?

次回作も期待しています。
  1. 2007/10/20(土) 20:57:52 |
  2. URL |
  3. eiji amaki #t50BOgd.
  4. [ 編集]

No title

相川先生、アオイたんのおいたのために災難でしたなぁ…。
でも美人な相川先生の蝋人形が拝めて、眼福眼福ww

新キャラ、ハロルドたんは科学者でしかもロリ教師とな!!
今後の活躍が色々な意味で楽しみなキャラですw
しかし今回もちょっぴり間抜けな立ち位置のメリッサたん、こちらは今後の活躍の場はあるのか?w

しかし、校舎が翌日には元通りになっているとは…それはそれで怪奇現象ですなw
どんな秘密が秘められているのか興味津々ですw

では、次回も楽しみにしております。
  1. 2007/10/20(土) 23:05:41 |
  2. URL |
  3. 時報の人 #u8HgeERI
  4. [ 編集]

感想どうもです♪

>デュールさん
>蝋固めがここで見れるとは!
蝋固めがお気に召していただけてどうもです♪
ちなみに私は溶けた蝋ぶっかけて固める派です(ぉ
霧状蝋はめずらしかったでしょうか?
ぶっかけも悪くないと思ったんですが、こう…じわじわ~と描写するのが好きなんですw
>アオイちゃんの怖さは異常ですねぇ(汗
アオイは怖いときは本当に怖いのを目指してます
D的にはまだ怖さが足りないと思ってるくらいですw

>るりょうりに ケンさんさん
>今回は、コメディー色が強い内容でしたね(^^
お笑い頂けた様でどうもです♪
チョーク投げからアオイが宿直室に侵入したあたりまではちょういと遊び心を5割り増しさせていただきました。
>相川先生
彼女はこの作品中でもっとも(ある意味)ヒロインちっくな位置です。
可愛くて固められるという意味においてですがw
ですから今後もガンガン被害にあってもらう予定ですw
>あの倉庫。他にどんな…物の怪がいるのか?
これももうちょいでてきます。
こんなの物の怪なのかっ!?と突っ込まれそうなやつまで出てくるので、乞うご期待w

>sentiさん

>最近血が美味いと感じるsentiです。
でしたらトマトジュースをどうぞ。うちのアオイも大絶賛ですw
 つ旦
お味はいかがw
>やっぱり、相川先生
>またこんなことに巻き込まれていくと考えると………
彼女にはとことん被害者ロードを突き進んでいただきます故に
これからも被害にあっちゃいます
初絵が蝋人形ってあたりからもう被害者キャラですw

>eiji amakiさん
>とくに蝋化される所の描写が、本当に凄いです。
ありがとうございます!
次回も濃い固め描写で行きたいと思います
>緩急のバランス
読んでる人が飽きないことを志してるので…そういっていただけろと本当にほっとしますYO♪
テンポを維持できるようがんばります
>破壊されつくした学園が、一晩で復活する様子も描かれるんでしょうか?
それは・・・近日中明らかに?
>次回作も期待しています。
がんばります!

>時報の人さん
コメどうもです♪
>眼福眼福
終わりよければ・・・もとい、固めあれば全て良し!みたいなw
>ハロルド
じつはちょいとフライング気味の登場です彼女w
本来は次話での登場でしたが・・・活躍は乞うご期待♪
>間抜けな立ち位置のメリッサたん
呪いレベルで不幸キャラですからなぁw
いつかきっと脚光が!・・・・あたるかもしれない
>校舎が翌日には元通り
それはマダひーみーつ♪
>では、次回も楽しみにしております。
ご期待に添えられるよう、鋭意努力いたします♪
  1. 2007/10/21(日) 16:31:47 |
  2. URL |
  3. 究極のD #3k2uny7Q
  4. [ 編集]

お疲れ様です

遅れまして、更新お疲れ様です。

はは、相川先生も大変ですねw
でも、美人教師に迷惑を掛けられるなんて羨ましいぞ、超常学園
ハロルド先生もロリー系と来ましたか!!
今後も期待なティーチャーズですね^^

そういえば蝋人形と言うのは描いたことがありませんねφ(.. )メモメモッ

半壊状態の校舎が直るとはまさに超常現象ですねぇ~ww
ではでは次回はもっと早めにコメできるようにします^^
  1. 2007/10/22(月) 19:40:33 |
  2. URL |
  3. 秋葉冬月 #7KC0ZeVc
  4. [ 編集]

冬月さんコメントありがとうございます

>遅れまして、更新お疲れ様です。
いえいえ、こちらこそ感想どうもです♪

>相川先生も大変ですねw
まだまだ、じょのくちSA☆(ぉ
まだまだこれからも固まって頂くつもりですとも、ええw

>ハロルド先生もロリー系と来ましたか!!
ロリー系です!同年代系です!
そしてピンクピンクです!
超常学園は、先生を含めてこんな濃ゆい連中ばかりですw

>半壊状態の校舎が直る
それは次回のお楽しみ♪
  1. 2007/10/24(水) 20:59:51 |
  2. URL |
  3. 究極のD #3k2uny7Q
  4. [ 編集]

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